あめんぼ

兄弟の距離を思い出させる至高のエンディング
幼いころは近かった兄弟の距離が、お互いの成長と共にズレていくこと。将棋盤を覗き込んでいた子供時代の描写が、後から見れば二人の道の違え方を暗示しているかのようでした。兄に比べればずっと平凡に生きる弟にも、そんな風に思うことは沢山あったという事実。並んで歩いていた二人が徐々に違う方向へと進んでいった先の容赦のない現実。救いのない無慈悲な結末、しかし往々にしてそういうものだと、そう思えてしまうリアリティを孕んだ最高に美しい物語と思いました。
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お読みいただきありがとうございます。 才能に恵まれなかった弟にとって将棋の強い兄はどれほど格好よかったことか。 将棋を諦め、違う世界へと踏み出していった弟が兄を忌み嫌うことはある種の防衛本能だったのかもしれません。 結末にまで想いを寄せていただき感謝です。 とても嬉しい感想をありがとうございました。

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