倉橋

高校生の少女が過去、未来、親友、かつての友人・・・思いをめぐらし揺れ動く・・・
 サカヤミリン氏の中断していた小説が再開されました。  未だ連載中ですが、もっと多くの人に読んで頂きたい素晴らしい小説だと思いますので、ここに紹介します。  氏の小説の中では、『恋の温度とキスの蜜』『カラフェのなかでぷかぷかと』に続く高校生の少女を主人公とした青春小説です。  主人公は音楽部に在籍している天音(あまね)。  天音が学校生活の中で経験していく様々な人間関係・・・  かつて思いを寄せた男子との偶然の再会・・・  かつての親友との再会・・・  現在の親友との秘密の会話・・・  過去と未来の流れの中で、時に緊張・・・時にシニカルな思い・・・時にあきらめに似た切なさ・・・時に嫌悪に似た思い・・・  様々な思いが天音の胸に湧き上がります。  時には世界の終わりというスケールの大きなテーマに心を寄せることもある。  冷笑、ためいき、悟り、焦り・・・  そのどれもが、天音という少女なのです。  この小説は、高校生の少女が抱く様々な思いを小説として描いた「青春心理小説」です。  既に大人になってしまった僕ら。  天音という少女の揺れ動く思いを辿り、彼女の心の中に入っていくことで、自分の辿った青春を振り返り、ささやかな笑みと哀しみが自然に浮かんでくることでしょう。   今、十代の若者たちには、天音と一緒に思いを巡らせることで、自分たちを見つめ直し、自分たちの未来への道筋を決めるきっかけを与えてくれることと思います。  文章が大変素晴らしいです。  僕らの目を引く文章が、その時の天音の思いを、実に絶妙に表現しています。  声に出して読んで欲しい。  印象的な文章に会った時、僕は思わず口にしています。  その時、僕には天音の思いが、かなりなところまで理解できた気持ちになるのです。  ライト系を書いている人も読んでいる人も含めて多くの人に、是非この小説を読んで欲しい。  得られるものは決して少なくないと確信しています。    
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倉橋さん ご紹介ありがとうございます! まさにこちら「青春心理小説」でございます。移り行く心理描写を主に、一人称の語りべである天音がほかの登場人物と自分を対比しながら自分探しを行なっているにも等しいお話です。過去にこちらのプロットを組んだ頃、一つの執筆テーマ(作品テーマとは別物の)があり、他の描写をさりげなく端折ったまま、心理描写で如何に魅せるか、届けるかというものを目標に掲げていました。当時のわたしには無謀に近い挑戦であり、習作を途中までしたものの、思うようにいかずお蔵入りしたものでした。今となっては、当時足りなかった考察などが明確になり、こうして書き綴る力が身になって来たのだと思い、再挑
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