時代劇のような女の一代記
平凡な家庭に生まれたお勝ちゃんが突然の悲劇で不遇に陥り、幼少時の暮らしは可哀そうで見ていられませんでした。 親の無い子が生きていくのは大変な時代だったと思います。 かっちゃんの人生はまさに山あり谷あり。 沢山の人に助けられてきたかっちゃんは、その感謝を忘れないからまた、誰かが助けてくれるんだと思いました。 決して派手でなく淡々と綴られる上質の・・・ まるで大島紬のような作品だと思いました。 一時、花も咲かせましたがその美しさも隠すようにひたむきに生きる女性の人生がいろんな色の糸で紡がれ作品に深みを増し、時折見える薄い花や葉が趣を添え、懐かしい模様も巧みに織り込まれ一枚の反物が織り上がるように描かれています。 初めに小さく出ていた色はずっと隠れて見えないのですが、ここぞという時にさり気なく現れて、驚かされました。 その地味な色はお勝に静かな幸せを与えます。 他人ばかりの家族に惜しみなく与える大きな愛がお勝の愛情の深さを物語っていますね。 肉親でないからこそ、その絆がより強く深く結ばれるのだと感じます。 与えられた愛を感謝し報いようとする精神は最後まで貫かれており、感動しました。 女の幸せってなんだろう。 家族ってなんだろう。 人生ってなんだろう。 色んな事を考えさせてくれる素晴らしい時代ドラマでした。 大変面白かったです。

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