未知春生

静かで優しくてほんのり切ない、家族の物語。
機械にはあるはずのない「心」や「人間らしさ」。ロボットの中にそういったものを見出すファンタジーは、鉄腕アトムを読んで以来の大好物です。 このお話はファンタジーではありませんが、ロボットの中に見える故人の心にきゅんと切なくなった物語でした。 主人公陽子は夫亡き後、HIDII(家庭用の自動化機器を統制する人工知能)の端末ロボットMIRIOと共に静かに暮らしていた。 それは陽子の夫が人生を注ぎ込んで開発したものであり、MIRIOには、死後に残される陽子が寂しくないようにと、夫自らの情報を沢山インプットしてあったのだ。 MIRIOにどこか夫を重ねて二人暮らしをする陽子と、それを快く思わない奈津夫、明子、由美子の3人の子供達。 MIRIOと暮らしていく中で陽子にも思いがあり、子供達にもそれぞれの立場と思いがある。 親子の心がすれ違っていく様は見ていてもどかしく切なく(身に覚えがある方もいらっしゃるのでは)、何とか折り合ってほしいと願わずにいられませんでした。 亡き夫がMIRIOにどんな思いを込めたのか、そこが表現されたページには、不覚にも涙が出ました。 物語は静かに進み、けれど最後には子供達はMIRIOを父の遺した思いだと認めてくれます。 少し欲を言うと、奈津夫がどういう経緯でMIRIOを父と認めるに至ったか、というところが知りたかったです。MIRIOが排除されてしまうのではないかと心配していたので…… でも、優しいハッピーエンドに救われました。 また、家庭用の自動化機器と共に暮らす老人という設定は、近い未来に起こりそうなリアリティがありました。この設定を作り出すには専門知識が必要だと思います。(私には書けない)すごいなぁと思いながら読ませていただきました。 どうもありがとうございました。
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未知春生さま こんにちは/こんばんは。 「2.0人暮らし」にレビューを御寄せ頂き、ありがとうございます。 「静かで優しくてほんのり切ない、家族の物語」  作者の心の響く言葉です。ありがとうございます。  今後の励みにさせて頂きます。  実は、最初に考えた結末は、由美子とその子供だけが出てきて、明子と奈津夫は 出てこない内容でした。  それが、自分でも納得いかず、買い手は消し書いては消しを繰り返していて、 たどり着いたのは「家族」でした。  啓之が陽子の幸せを願うなら、陽子の元に子供達が戻って来る事を願う筈。  それで、あのような結末に変えました。 >奈津夫がどういう経緯でMIRIOを父と
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須羽さんおはようございます。 そうか、お父さんがどう望むかというところをラストに落とし込んだのですね。そのせいでしょうか、本当に柔らかくて優しいラストでした。 そして、 >奈津夫が開発部門の役員になったことで、何か思う事があった。 というシンプルな説明に込められたものをうまく想像できなかったのは、ひとえに私の想像力不足のせいです。すみません(これって書き手として致命的なんじゃ…汗) でもこうして須羽さんにお話を伺うことができて色々つながりました。作者さんに直接聞けるのは本当にありがたいです。どうもありがとうございました。 今日は澪と章子の喧嘩が修羅場になると思います。なかなか落ち着かなくて

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