小松菜 雅楽

ゆっくりと美味しいパンとコーヒーを嗜む。たまにはそんな人生があってもいいじゃない
近頃『食パン専門店』なる物に行列ができているのをよく目にする。 カレーパンやメロンパンが好きな私としては、あんな味気ない物に時間と労力を使うことが信じられない。 だけれど、並んでいる人達はその味にありつきたくて、どこか楽しそうにその時を待っている。 待っている間、皆それぞれスマホを開いては世話しなく画面をフリックしている。 そんな忙しない客達だけど、一度席に座り、パンを噛み締めれば、スマホを置いてその美味を堪能するかの様に外を笑顔で眺めている。 その光景をガラス越しに見ていると、忙しい毎日だけどたまにはああやってゆっくり時間を過ごすのも悪くないかな、とつくづく思う。 結局行列が嫌だから、思うだけで行くことはないのだが、何かに疲れた時には良さげな休憩所があることを、いつも頭の片隅に入れておくのだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 人生は決断することが多すぎます。 それも厄介なことに重い案件だし、早急に答えを求められるし…うんざりすることばかりで嫌になってしまいます。 そんな時は一度考えるのを止めて、何か美味しい物でも食べに行きましょう。 悩んで鬱々としてるよりかは、いつものより美味しい物を食べながらにこやかにしている方が遥かにマシです。 そんな悠長なことしてる場合じゃない? 現実逃避したら沼にはまりそうで怖い? 心配ご無用。 どれだけ美味な物に巡り会えた所で、結局最後は馴染みのある物に戻ってくるし、 どれだけ悩んだ所で、答えは既に自分の中で出ている物です。 毎日『同じ物』を食べているが故に、少し飽きてしまっただけです。 その真価は一度離れてみないと分からないものです。 何かに食傷気味の、そこの忙しい貴方。 焦る気持ちも分かりますが、一度立ち止まってパンとコーヒー片手にこの小説を味わう。 そんな一時を過ごされてみてはいかがでしょうか?
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