しのき美緒

本当に怖いのは誰なのだろう
以下盛大にネタバレしておりますので、作品をお読みになってからお読みください。 梓のとった行動には共感しかない。 残酷な周囲。 母親も父親(おそらく不在がち)も、鏡を贈ったクラスメートたちも、梓を自分たちに都合よく歪曲する。 彼女を連れてでると、周囲から憐憫の目でみられることで優越感に浸る母親(ちょっと映画『キャタピラー』の寺島しのぶがやった傷痍軍人の妻を思い出しました)。 お見舞いにかこつけて梓の容姿を嗤うクラスメート。 だから鬼門からやってくる人ならざるものとの交流が梓の安らぎだった。 自分以外の人や事象を「みたいようにしか見ない」人々が実に怖かった。 きっと梓の死に顔は笑っていたと思う。 最後になりましたが、5分シリーズ掲載おめでとうございます。
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しのき美緒様、コメントありがとうございます。  梓には全力で感情移入しながら書いていました。  丁度この頃ちょっと仕事で理不尽な事が立て続けに起こっていたので・・・半ばぶつけてた(大人げない)。  この物語に出てくる人達は、梓も含めてですが”自分勝手”あるいは”自分主体”なんです。ただ、それが社会の枠組みの中に収まるか、収まらないかの違いで。  その辺盛大に皮肉も込めて書いていました。思えば余裕無かったなぁ・・・と今更反省する部分も見える始末(笑)  「キャタピラー」。江戸川乱歩の「芋虫」に着想を得た作品だったかな。映画の方は未視聴ですが、小説はなかなか鳩尾のあたりに残る作品ですよね。
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