境界線はいつしか意味を持つ
その廃れたバーからは、古ぼけたビルが見える。 おしゃべりなバーテンダーがお客相手に物語る。 かつてバーテンダーの話を聞きに、お客でバーが賑わった日々のことを。 それはバーの向かい側に建つ古ぼけたビルにまつわる話。 かわいそうな、けれどどこか滑稽な女。 境界線が引かれた理由は、なんでしょうか。 表向きの理由とは別に、ブラックジョークのような意地悪な意味がこめられていたのではないか、と疑ってしまいます。 ただの「線」。しかしそこに悪意が込められると線は境界線になり、死神のような力を持つのかもしれません。 しかしそんな死神も、時の流れとともに高層ビル化と人工的な灯りで力を失い、人々から忘れ去られました。 たった一人、バーテンダーをのぞいては。 また話をねだるお客たちでいっぱいになるのではないかと思いながら、彼だけが境界線を懐かしがっているように思えるのです……。 ほんのりブラックなラストに、ザラッとお腹の中を撫でられてしまいます!
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地味な小説ですが、レビュー読ませていただいて、なんか面白そう、と思ってしまいました。 こういうザラッとした食感の洋物の短編、また書いてみようかと思います。 秋月さんのレベルには遠く及びませんが、これからもよろしくお願いします。
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たやすさん! 異国情緒ただようホラーでした(*^^*) 私のホラーなど及びもつかない、というか、たやすさんの作品のように、雰囲気を感じさせる物語、書けません…。 文章で物語の雰囲気、空気を感じさせる事が出来る。たやすさんの物語の魅力ですね(*^^*) ブラックコメディでありつつ、バーテンダーのさみしさが、忍び寄る影を感じさせます(*^-^*) ぜひぜひ、また書いていただきたいです。
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