小松菜 雅楽

まことの道に 我を導け
ひょんなことから出会いを果たす丈志と舞。 思いもしなかった突然の対面に、二人は突如見えざる手による誘いを受ける。 夢幻の誘いにより歩を進めるは、滝口寺。 そこは遡ること、平家が栄華を極めていた頃の話。 かつての哀しき男女、時頼と横笛の悲話哀歌が残る場所。 胸中を語る二人を、禍時の空が焦らせる。 間もなく夜の帳が降りる。そしたら私達は… 己が宿命により再開を果たす二人の決断は如何に。 ーーーーーーーーーー 輪廻転生ものは物語の中でしか見たことがなく、実際にこの目で見たことはないのですが、運命や宿命というものがあるのならば、恐らくこの様な形なのだろうと思いました。 滝口寺に残る逸話を読後調べたところ、丈志と舞の行動や心境が頭にスッと入ってきました。 彼らが置かれている境遇は逸話とリンクしている所がいくつか見られます。 これを宿命と言わずして何と言うか。 しかし悲しいかな。 どれだけの宿命を背負っていても、皆産まれるときは無垢の赤子。 きっと生まれてきた意味も目的も、すっかり忘れてしまうのでしょう。 それを思い出すためには、両人が直接顔を合わせる以外他に無いのでしょう。 そう考えると、このお話は奇跡の物語と言っても相違ありません。 もしかしたら私達にも、忘れてしまった宿命があるのかもしれません。 何かの切っ掛けになるかもしれませんし、ここは是非とも一読されてみてはいかがでしょうか? 余談ですが、京都府民以外の方は是非とも地図を片手にお読みください。 二人の行く先が情景として浮かびますし、京都の勉強にもなりますよ。
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ご丁寧な感想をありがとうございます(*´▽`*) 貴重なお時間をいただきまして、申し訳ございません。 お心遣い、大変痛み入ります。
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