夕凪もぐら

読了です
じつはこちらの作品、少し前にアプリでダウンロードしてたので、積ん読の一つだったのですよね。 さて感想。率直に言えば面白かった。怖くはないけれども、不気味でした。 物語の方向は、目を背けたくなるようなことが多かったです。 物理的な残酷だけでなく、人間が内面に抱える残酷でしょうか。 登場人物それぞれ、とくに主役夫婦のふたりは、陽のあたるよい部分があり、共感できるような人間臭さもあり、しかしどうしようもない一面が最終的に前にでてくるような。 物語が序盤から転がって、飽きずに読めました。 正直、リアルに描かれた結婚生活はひりひり痛かった。それはもう上手く書けば書くほどにひりひりと。その辺りも目を背けたくなるような部分でしょう。育児の苦しさも、不自由さも、新米ママの抱える不安も、疲れも、苛立ちも、理不尽さも、全部が全部見てきたような書き方。 あるあるーっと思えるような日常と、非日常の混ざりぐあいは流石でした。 そしてオチ。あえての序盤からのオチバレ……この事件の救えなさが、っぱないよね。 そもそも読み始めた冒頭から……だし。 ちょっとでてくる義父さんとかも、短い文章で「あかんって」となるくらい立ってましたよ。

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