土佐屋治兵衛

年の瀬。皆さまもうあと何日と指で数えられるくらいになってまいりました。 さて、お正月で最も暇な日は元旦だと言われております。 定かではありませんが(;^_^A ですが、そんな暇な御時間に、サクッと読めてしまう芥川様の作品を読んでみてはいかがでしょうか? 土佐屋は、芥川様の大ファンで御座います。 ですが、芥川様の作品すべてを拝読しているわけでは御座いません。 有名な小説は一応拝読させて頂いておるわけで御座いますが、青空文庫ではこんな小説もあったんだ! と思える物語もあったりします。 押し付けでは御座いませんが「秋」「奇妙な話」「春の夜」などは読了後、恋愛についてとても考えさせてくださいます。 「秋」は、芥川様が初めてお書きになられた近代心理小説といううWikipediaでは書かれておりますが、つまるところ恋愛小説で御座いまして、どことなくマディソン郡の橋のような抒情的な終わり方を堪能できますし、「奇妙な話」は、純愛と不貞についてとてもとても考えさせられます。そして、この話はとても奇妙な話の中に貞淑な妻をそこはかとなく隠しているお話で、全編、怪奇小説としてお書きになられておいででです。 土佐屋は、芥川様のファンタジー感がとても好きなので、この奇妙な話は若かりし頃拝読して、ずっと考え続けていた小説で、最近、ふと自分なりの解釈が整った小説でも御座います。 「春の夜」これも幾ばくかファンタジー色といいますか怪奇的で奇妙な話で御座いますが、ラストのバッサリとした終わり方が爽やかにさせるお話で御座います。 この三作品。どれも短いお話で御座いますし、短時間で読めますが、読了後、行間を読むにあたりかなりの時間を必要とするお話でも御座います。 とにかく芥川様は、ストレートなお話を表層に持ってきて、下層には人間性を鋭く突いたものを、創作技術によって散りばめておいでです。 青空文庫なら、フリガナも書いてあるので読みやすいかと思います。 あと、「春の夜」と似たようなタイトルで「春の夜は」という難解な作品が御座います。 とても難解すぎて、いまだに結論づける考察が出来ないでおります。 芸術作品とするならシュールレアリスムかキュービズムという位置づけが宜しいようなお話で御座います。 ただ、表層はとても面白い構成と文章で、最後まで目が離せない作品でも御座いました。 押付でなく、紹介で御座います。^^
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