井沢優希

決断とは変わりゆくもの
苦く、血の匂いの漂う作品に、BLの新しい可能性を思いました。 作者さまの戦争に対するスタンスが冷徹で、辛い状況も当たり前のように過去の一コマになっていく残酷さが見事です。 一番、印象に残っているのは、主人公が恋人の決断に不審感を持ったのに、同じ状況に立たされた時の心境の変化です。人は、その時に一番の決断を瞬時に下していかないとならない。何が最善の行動か、ゆっくり考えることも許されない状況で、主人公は後戻りのできない決断を行う…… 決して、読後が素晴らしいとは言いきれない作品ですけど、読み応えは充分以上です。 この作品において、どんなラストをハッピーエンドと呼ぶか。それは、間違いなく生き抜くこと。生き抜いた先に見ることのできる希望。読者はその時、登場人物たちと一緒に、彼らが作る未来を夢見ると思います。
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優さま 最後まで作品にお付き合いいただいた上、すてきな感想をありがとうございます。 ずっと応援していただいたこと、心から感謝しています。 万人受けはしない作品ですし、今の時代と逆行したような作風だったので、このようなご感想をいただけることが本当に嬉しいです。 本当に、本当にありがとうございます!!
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