潜水艦7号

失った物と、得た物と。
以前に、某クリスチャンの方に言われた事があります。 「苦しい時に、あなたが『何を失ったか』を考えるのではなく、あなたの手元に『何が残ったのか』を数えなさい」と。 心理学的に言うと、失った時の悲しみは同じ価値の物を得た時の2倍だと言うそうです。それくらい、人間は失う事に弱い生き物と言えるでしょう。 主人公は怪我で、それまで培ってきたキャリアに大幅な後退を余儀なくされます。それはとても辛いものでしょう。そう、大事な人に辛く当たってしまうほどに。 まるで全ての色が合算されてドス黒くなるかのようです。 ですが、主人公はここから『色』を『光』に変えるのです。全ての『光』の合算は『白』ですから。 ともすれば辛い決意であったかも知れませんが、もしかすると『それだけの代償』を捨ててこそ得られる価値の物だったのかも知れません。 白は始まりの光であり、あらゆる可能性への入り口と言えるでしょう。 主人公の明るい未来を、期待してやみません。
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潜水艦7号様 レビュー、ありがとうございます。 この話で伝えたかったテーマを、明確にご指摘いただき、恐縮です。 喪失体験から見えてくる次の一歩 が光か闇か、選ぶのは自分自身ですが、それを支えてくれる存在の有無が大きいのも確かです。 残った物を数えると、決して「無」ではないと気付かされますね。 含蓄のあるレビュー、ありがとうございます!
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