奏音 美都

ミーさん 感想を寄せてくださり、ありがとうございます。レビューお礼SS 「別れの時」送付します❤️楽しんでいただけると嬉しいです。  ついに、この日が来てしまったんだ……  泣いて泣いて、泣いて……躰中の水分が全て出て行ってしまったんじゃないかと思うほど泣きつくし、枯れたと思っていても、類のことを想うと再び涙が溢れ出す。魂が震え、咽び泣いていた。  それは類も同じで、部屋から同時に出てきたふたりの瞳は真っ赤で、瞼が腫れていた。 「るぃ……」 「ミュー」  互いの名前を呼ぶと、きつく胸が絞られる。視界が歪む。嗚咽が、込み上がってくる。自然と互いを求め、手が伸ばされる。 「ほら、行くわよ!!」  そこへ、華江が階段を上がって二人の間に割り込んだ。美羽はビクッとし、伸ばしかけた手を引っ込めた。類が悲しげに美羽を見つめ、その視線から逃れるために俯いたその先の絨毯に涙が零れ、滲んでいく。  この日が来るまでに、何度類に説得されたか分からない。ふたりだけで逃げよう、ふたりだけで暮らしていこう、と。  けれど、美羽にはその勇気がなかった。どうしても両親を欺くことが出来なかった。世間から後ろ指さされて生きていくのが、怖かった。  美羽は、たったひとつの希望を胸に、生きていくことを決めた。  大学を卒業したら、類と一緒になれる。たとえ結婚はできなくてもずっと一緒に生きていける。 ーー次へ続く。
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美都さん、「別れの時」ありがとうございましたm(__)m 悲しい別れですね😢 なぜ類は迎えに行けなかったのか、これからの展開楽しみにしています✨

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