倉橋

少年少女に読んで貰いたいジュニア冒険小背の魅力!
 この作品は、『海への誓い』『ラルクの大航海』に続く三部作の最終作である。  王家の血を引く海賊の少年、ラルクが持ち前の正義感から、私利私欲を貪り弱い者を虐げる悪人達をこらしめていく痛快な冒険小説である。  ラルクと相思相愛になる王女も登場。乱暴だが気前のいい海の仲間達との明るくて友情に満ちたやりとりも読んでいてすがすがしい。  作者は同意できないかもしれない。  だが私はこの三部作は、中学高校の少年少女に是非とも読んで貰いたいジュニア冒険小説だと考えている。  もちろん大人達が読んでも心の熱くなる小説で、ファミリーで楽しむ小説となる可能性はおおいにある。  ⅾiaさんの小説の感想でも申し上げたが、現在、中学高校生が読むべきジュニア小説の衰退が著しく、それが若者の活字離れに拍車をかけている。特に少年向けの分野は残念な現状と思う。  ラノベを否定はしない。  だが中学高校生が良識と健全さ、そして文学性のある作品を敬遠する現状は好ましいとは思わない。  この作品は少年ラルクの正義感溢れる姿がとにかくかっこいい。だがスーパーヒーローではない。失敗もするし涙も流す。  だがラルクの正義感は多くの人の心を動かし、最後には悪を滅ぼしていく。  そして美しい王女との恋愛・・・  少年達がこの小説を読んだ時、自分達と等身大のラルクの活躍を人間の理想像としてとらえ、人生の糧とすることと思う。  小説としても面白く、海の描写、海戦の迫力は胸躍らせる面白さである。  どんどん先を読みたくなる小説といっても言い過ぎではない。  エブリスタ投稿ということで難しい部分はあるが、この作品がジュニア向けの冒険小説として、多くの読者を獲得する機会があることを願っている。
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