まさりみか

レビューは前にモバから書かせて頂いたのに再度申し訳ないですが、今回は取り留めなく心に浮かんだことを。   私事ですが、田に機械が入れるよう一人で隅の稲を鎌で刈っていました。 手を動かしながら浮かんでくるのは鎌を持った彼。 何故彼はあんな人生を選ぶことになったのか?発現はいつ?誰に対して?時期や状況が違うならどんな人生を選べるのか?本作の状況を回避する術はあったのか?……沢山のifや分岐が浮かんできて本作の結末に立ち返った時感慨深かったです。 そして彼のその先についても思い巡らせながら数時間の作業を楽しく終わらせることができました。   それはこの飛火夏虫の世界とキャラが確立してるからできることだと思うんですよね。 そして1つの綺麗にまとまった物語として満足して読み終えられたから。   『全てを語らず読者に想像させる』っていうのは本来このような物語なのであろうと思います。 小説として書くべきがちゃんと書かれ1つの世界として心の本棚に入れることができる。 そこから読者である私たち自身が自分の経験に照らしたり人生の、思考の糧とすべく想像を巡らせる。 読書の醍醐味を味わえる。   もう1つ思ったのは作者である黒助さんの視点です。 どの作品もキャラに対する愛情を感じるんですが、作品に対して適度な距離感を持って書かれてる気がします。 だからどんな場面でも読者はきつくならない。   世界を感じ楽しみながらその世界の風に柔らかく包まれてるような気分で読めます。 自然でそれぞれの精一杯で生きてるキャラ達。 読む人や読んだ時、状況によって気に入る場面がそれぞれ違うのではないかと思います。   飛火夏虫に出会えて楽しい時間を過ごすことができました。 ありがとうございます。   また読みたい気持ちが溢れたのですが書籍発売まで待ってみます(笑)
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