綿花音和

魅力的な登場人物と地の文の巧みさ
優美香様の作品ということがきっかけで読み始めました。 最初は剣も魔法もファンタジーも苦手なので横文字の登場人物に感情移入出来るかなと思っていました。 裏切られました。硬質な文章ですが理解しやすく、抑制された地の文がかえって登場人物の会話を生き生きとさせているように感じました。 カインとレフティはどちらも魅力的なキャラクターでしたが、私はカインに感情移入をしてカインsideで拝読しました。 印象的なシーンは沢山ありましたが、戦闘シーンの激しさや艶のあるシーンともに確かな筆力に裏打ちされているなとただただ尊敬しました。 フランとエーベルは本当に魅力的で、主人公以外の人間の感情が胸を打ちましたし、だから物語に厚みと説得力があるのだろうと思いました。 カインとエレーナの思いがすれ違うシーンでは泣きそうになりました。 レフティは少し可哀想ではありましたが、どんな人間も欲望に囚われ慢心すると悲劇的な結末を迎えてしまうのかなと陰の部分をしっかり担っていたなと思います。 最後は静かながら、幸福な皆の思いを感じとれるシーンに見事に帰結し良かった~!と心から思いました。 人々の生きざまとキズナの物語素晴らしかったです。 拝読出来て幸せでした。
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