路地猫みのる

洋画を見ているようでした
登場人物の容姿に関する繊細な描写がきれいでした。ところどころ、町並みや仕草に関する描写、セリフ回しにはっとさせられるところがありました。おそらく心の中に人物や風景が細部まで映画のように浮かんでいて、それを文章化された作品なのだろうなと思いました。子どもの素直な発言は可愛らしくてよかったです。 文章に関しては、申し訳ないですが読みづらい作品でした。一番のネックは視点の揺らぎで、「僕」が語っている物語なのにその僕を「彼」と呼ぶ、さらにはほかの人物の視点に突然切り替わるなど、とりとめのない印象です。 作品全体に漂う情緒的でアンニュイな雰囲気は出そうと思って出せるものではないので素晴らしいと思います。あとは、心に浮かんだ情景をどうやって読者に伝えるか、という点に尽きると思います。
1件

この投稿に対するコメントはありません