皐月原 圭

作者の「好き」がぎゅっと詰め込まれているように思います。
ロボットに乗り込んで戦う……という設定だけなら巷で量産されているロボットものの二番煎じとして埋没してしまいますが、この小説の特徴は「VRで遊んだだけの中学生」がそのロボットをリアルに操縦して敵と戦う状況に追い込まれていくというユニークな設定。 中学生……ですよ。中学生。 (なんて過酷な……) そして、憧れの世界がリアルで“思いもかけない形”実現するという状況に、ともすれば不謹慎に映りかねない高揚感や死に対する捉え方、恋愛の形、それらは主人公をまだ未熟なところの多い中学生にしたことで、成人男性なら描写しずらくなる難点を旨い具合に克服しているところが凄かったです。(すみません、語彙力) しかも、「成功!」と思わせてからのトンデモナイどんでん返しの連続! 読んでいて何度も「は? 嘘だろ……」と呟いてしまうほど、追い込まれ続ける主人公の運命があんまりで、可哀想に思えてくるほどです。 (もちろん、時々挿入される「萌え」に慰められほっとすることもできるのですが) このどんでん返しは、これでもか、というくらい最後までしっかりと続いて読者を飽きさせません。 もちろん、ラストはきちんと大団円。 作家の「好き」の要素を思う存分詰め込んだ作品かと思いまいた。 面白かったです。
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すみません、こちらのサイトを滅多にのぞかないため反応が遅れました。楽しめていただけたようでなによりです。素敵なコメント、ありがとうございます!
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わあ、いえいえ。 わざわざご連絡ありがとうございます。とても面白かったです!
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