二瀬幸三郎

これもまた、歴史の足跡……
二瀬幸三郎です。 拝読いたしました。 ベトナム戦争…… 様々な意味で戦争の流れを変えた歴史の足跡のひとつ…… また、終戦後も強烈な影響(帰還兵の苦悩、枯れ葉剤による奇形児など)を残していることも知られております。 この作品は、戦争取材という面から戦場の現実を描いております。 取材という名目で戦線に加わり、サイゴン(現ホーチミン)の現状、〈サソリとカエルの寓話〉を通じた市民の心境、軍隊の現実、ジョセフの苦悩、そして明の死…… ある有名映画監督に依れば、「反戦を訴えたければ、戦争を有りの儘に描くだけでいい」と言っていたのを思い出します。 この作品の特徴は、「戦争の悲惨さ」「戦争の愚かさ」を直接主張していないところにあると思います。 ただ、淡々と出来事を伝えるだけ…… 唯一、主張と思えるところは、タイトルにもなっているラストの「生きてこそ」だけ…… 故に、上記の言葉通り、かえって戦争の現実を強烈に訴えているような気がしてなりません。 月並みな言葉となってしまいますが、強く考えさせられる作品でした。
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二瀬さん ご感想有難うございます。 戦争の流れを変えた…おっしゃる通りベトナム戦争は、アメリカ含め一般の方々が志願兵として参加するなど、特異な形の戦いだったと思います。 実際にベトナム戦争を取材された、とある作家のエッセイを参考に当時のベトナムの状況を書きました。 物語に登場する「サソリとカエル」は実在する寓話なのですが、ベトナムの方々が戦争に例えていた…そうです。 本作はお金がないに応募しており、お金が必要なのは生きているから、死んでしまえばなんの意味もない。ということで生きてこそにフォーカスが当たるように書いてあり、二瀬さんに意図をわかって頂き嬉しいです。 本当に有難うございまし
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