りかりー

あ、間違った! 『オタク大変身!?』 目の前のオタクの厚ぼったいメガネを取ってコンタクトにした。 鬱陶しい髪はわたしが思いきって切った。 よれよれのYシャツはアイロンを当てて用意した清潔なものと取り替えた。 「よし!とりあえずはこんなもんかな?」 ゲーオタクの名前は清四郎。 生まれた時からの腐れ縁で、高校二年の今までずっと一緒のお互いの初恋の子まで知ってる隣の家の幼なじみ。 「清四郎、ちゃんとおしゃれしたらイケメンだよね」 「俺は別にモテなくていい……」 清四郎は鏡を見て興味なさそうに呟いた。 それからすぐにみんなの清四郎への反応が変わった。そしてわたしへのみんなの目も。 影口なんて慣れてる。 だけどエスカレートして剃刀の刃が入っていた手紙や足を引っ掛けられたりするのは辛かった。 「真由、その指ケガしたのか?」 「ちょっと包丁で切っちゃって」 指を隠しながら答えると清四郎は眉を寄せた。 勘の鋭い清四郎には知られたくない。それよりも聞いたの。清四郎の好きな人ってどんな女性? 「それもあいつらにやられたのか……」 清四郎の相手のことを考えてたら清四郎の呟きには気づかなかった。 「あのね、清四郎、……その、清四郎の好きな女性って、わたしの知ってる女性……?」 「……まあ、そうだな」 「教えてって言ったら教えてくれる?」 清四郎からの返事はなかった。 これって教えてくれないってことだよね……? 清四郎はふっと口の端を上げたら先に玄関にに向かっていった。 数日後。 わたしの机の中に隣のクラスの佐藤くんからの手紙で、話があるから放課後に裏庭にきて欲しいとのことだった。 放課後、裏庭に行くと飲み物を手にした佐藤くんがいて、隣に座るとわたしに片方差し出した。 「ごめん、呼び出したりして。実は君のこと前から気になってて僕と付き合ってもらえないかと思って」 それは突然の告白だった。 びっくりして慌ててコーヒーを口にして誤魔化した。 あ、れ? 急に頭がぼわーっとして眠気が…… 力が入らなくなって紙コップが足元に落ちた。 「悪く思わないでね。これも彼女のためだからさ」 寄りかかった頬を撫でられて声が出ない…… 暗くなってく目に最後に見えたのは、わたしの唇に触れる指だった。 ……清四郎、助けて それきり意識がなくなった───
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りかりーさん 夜分遅くに済みません🙇 『オタク大変身!?』届きましたよ‼️ 続きが気になって・・・ 新型コロナウイルスで大変な時に作品を有り難うございます。 お体に気を付けられて、無理されませんように😊
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やっぱり1000文字じゃ全くだめで、かなりこれもけずったよ。 新しい若恋裏話にちゃんとしたのをこっそり載せるからすぐ消すから見てみてね!
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