「雨の日には雨の日にしか撮れない写真がある」
ノンフィクション(史実を第三者が記述)というより、上質で小説的なエッセイ(本人が書く)です。 とにかく文章力が素晴らしい。情景が目に浮かびますし、視覚以外の聴覚、温度や湿度まで伝わります。 旅で出会う人々は皆、不幸なベトナム戦争のあと頑張って生きている人々です。そして生き方を探すボヘミアンな作者さん。作者さんの苦しい悩む心情と、ベトナムの情況がシンクロします。まるでフィルムノアールのシーンのよう。 「雨の日には雨の日にしか撮れない写真がある」 そう、まさにその通り。 短いですが、ちょっと感動できる素晴らしいエッセイ。
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