りかりー

後編の2枚目です! 届くでしょうか? 『オタクの恋』後編の2枚目 うそ…… 転がっていた棒を掴むと、清四郎はわたしを押さえつけてた佐藤くんを振り飛ばした。 後のふたりが飛び掛かり清四郎の背中を羽交い締めにする。 どうして……ここに? もしかして助けに来てくれたの? 3人を相手になんて無理に決まってるのに。 逃げて!でないと清四郎がやられちゃうっ!! 「ゲーオタをナメるなよ!」 叫んで背中のふたりを振り払う。 横から殴られて清四郎のくちびるが切れて朱が滲んだ。 そのくちびるを拭うと、相手に拳を鳩尾に叩き込み廻し蹴りで地に沈めた。 ハアハア 息を荒くして清四郎は滴る汗のまま、わたしの前にしゃがみこむと猿轡をほどいてくれた。 涙目で見上げるわたしを清四郎の腕がそっと包みこむ。 「……俺から、離れるな」 「せい、しろう……?」 混乱してどうしていいのかわからなくなる。 清四郎の熱い吐息が耳に触れて小さく震えた。 「俺にはえるどらどだけいればいい。見た目が変わったからって寄ってくるような女ならいらない。……いらないんだ」 懇願するような声。 わたしを抱き締める腕に力がこもった。 「……だって、だって、清四郎には好きなひとがいるって」 わたし聞いて知ってるよ。だけど─── 「……ホント、に?」 涙が溢れて止まらない。 清四郎の言葉が胸の奥に染みて想いが競り上がってくる。 「ああ。おまえが好きだ」 柔らかい眼差しが降ってきて、浮かんだ涙を清四郎の指先がそっと拭った。 「………わたし、好き、って、……言っていいの?」 ずっと一緒にいるものだと思ってた。 だけど、清四郎には好きな人がいるって聞いて、……わたしだけが淡い想いを抱えてたんだってショックだった。 だけど、清四郎の恋を応援してあげたくて…… わたし、好きって言っていいの? 清四郎のそばにいていいの? 「おまえじゃなきゃダメなんだ。今までもこれからも俺の隣にいるのは、えるどらど、おまえだけだ」 低くだけど甘さを含む声。 清四郎の指がわたしのくちびるに触れた。 「わたしも、……好き。清四郎が、好き」 瞬間に、清四郎のくちびるが重なった。 息ができないほどの想いが流れ込んでくる。 「やっと、……つかまえた」 わたしの初めては全部、目の前の清四郎に━━━ 完
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あぁ良かった。 ハッピーエンドだと信じていても実際読むまでは気が気でないし。 いつも素敵なミニ話を有り難うございます。
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