わずかな文字で凝縮された内容。4話すべてに強い感動を覚えました。
実は、私も小説を執筆してます。 その物語は群像劇であり、主軸の一人が人間ではありません。 私は、その人間ではないという部分に強い懸念を抱いておりました。 読み手は人である、ならば人でない物には共感を抱きにくいのではないかと…… しかしですよ。 この短編集はそのような私の悩みを吹き飛ばしてくれるだけの力がありました。 読まれた方は、この特異な視点に驚くことでしょう。 私は、4作の中でも硝子の迷子という話が一番好きでしたが、この物語の視点はなんと硝子なのです! にもかかわらず、共感、感動そういった感情を強くゆすぶられましたし、このまま自分が創作したい話を書き続けても大丈夫だという勇気も与えられました。 更に、文章も素晴らしいもので、ひっかかる個所がまるでなく、するりと頭に入ってくる見事な物でした。 私は、現在のところ、表現力とかは実にレベルの低いところにあると自己評価をしておりますが、この短編集の文章は芸術的であり、私が到達したいと考えている領域にあると思います。本当に素晴らしいの一言です。 良い物を読ませていただいたなと思っております。 有難うございました。

この投稿に対するコメントはありません