森本

最期の場所は自分で決められる
この掌編は水晶みたいな純文学ですが、ラストに仕掛けが施してあるので、ネタバレはなしでいきます。 道に迷って途方に暮れていた和子を人里まで送り届けてくれたのは、数百年生きているといい化け猫ミーコでした。 和子がすっかりお婆さんになった頃、ミーコが和子を訪ねてきます。「避難しなくていいのか。思い出が枷になっているのではないか」と。 それでも和子は、数多の思い出とともに、長いこと過ごした自室で最後の眠りにつきます。 長く暮らした場所とは何か。思い出とは何か。死に場所を自分で選ぶ権利は誰にでもあるということ。 作者さまは、読み手に寄り添う形で人間にとって大切なことを説いてゆかれます。 本当に大切なものが何か分からなくなった方にとりわけお勧めです。Web小説としては異色かもしれませんが、心に貴いものを残してくれる作品ですよ。
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素敵なレビューを書いていただき、ありがとうございました。今回の作品は、だいぶ前から形は出来ていましたが、最後の部分をどう閉めるか……と思っていた時に、星降る夜というテーマが来たので、あのラストになりました。いつもありがとうございます。
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上質な作品を読ませていただき、こちらこそいつもありがとうございます(^ー^)。
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