りかりー

『白虎と過保護な幼なじみ』の別バージョンです(*´∀`) 「えるどらど、ちゃんとベッドに入ってろ。熱が高いんだからな」 幼なじみの慶ちゃんは、わたしを抱き上げてシーツの中に押し込んだ。 「ただの風邪なのに」 「そのただの風邪でよく寝込んでるのは誰だよ。俺がいないと倒れてるだろうが」 慶ちゃんは過保護すぎる。 隣の家に住んでるわたしを妹のように可愛がって、熱でも出すとこの有り様。 「暖かくして寝てろ。おやすみ」 頭をポンポンとすると帰ってく。 ある日、わたしは道で踞っていた白い縞模様の犬を連れ帰って手当てした。 「これ、犬なんかじゃないぞ。たぶん」 慶ちゃんは名前をつけた芝虎(縞模様が虎に似てた)の首根っこをつまみ上げた。 それからしばらくした学校帰り道。 後ろから羽交い締めにされ無理やりに草木の中に引き摺りこまれた。 「や、助けてっ……むぐっ」 押さえつけられたわたしを、 ガルルル 大きな白いものが跳んできて目の前の男をひと噛みして助けてくれた。 「俺が助けに来なかったらヤられてたぞ」 驚くわたしの前で大きくなった芝虎はどうみても人間の青年の姿に変わってく。 月に照らされた姿は芝虎と同じ…… 「見てるだけなのはやめた」 獣の眼差しに見据えられ、わたしの意識はそこで途切れた─── ※※※ 「ウソ……だろ?」 目が覚めた時、慶ちゃんが部屋のドアの前で、こぼれるばかりに目を見開いていた。 「おまえっ!何をした!?」 慶ちゃんは駆け寄ると芝虎からわたしを引き剥がして後ろに庇った。 慶ちゃんに青年の素性を話すと不機嫌な顔をされた。 「芝虎、くっつきすぎだ、離れろよ」 「やだね。こいつは俺のだ」 芝虎と慶ちゃんはわたしを挟んで言い合いしてる。 慶ちゃん、もしかしてわたしのこと……? 「ああ、好きだよ。好きに決まってるだろ。ずっと前から」 耳を赤くする慶ちゃんの思いがけない告白に胸の中が熱くなる。わたしだけが片思いだって思ってたのに。 「誰が好きでもない女の世話を焼くんだよ」 慶ちゃんが芝虎からわたしを奪い取り鼻を鳴らした。 大好きな慶ちゃん。いつだってわたしの特別だった。 「わたしも、す」 好きと言いかけて、くちびるは慶ちゃんのそれに塞がれた。 「いつか、おまえの大事なものもらうからな」 完
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選べないと思ってたけど、読み比べてみると断然こっちだった。 どうやら私は、幼馴染み物に特に弱いらしい。
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そっか。人によって違うんだなー! 白虎の方がいいっていう方と、幼なじみがいいって方も。 なるほど!

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