にね

雨がもたらす幸福の時間
格調高い文章(ご本人がどう思ってらっしゃるかはともかく、私はそう思います)で紡がれる、繊細な物語のかずかず。篠藤さまの作品はいつも素晴らしくて、読むたびいつも唸らされるのですが、本作もとてもよかった。 機会人形と青年が心通わせる紙を介してのやりとりが微笑ましく、作中に秘められたしあわせに生きるためのヒントは、雨が降っていたのにとたんに目の前が晴れてきたよう。テントに落ちる雨の音、雨に滲むインク。描写が秀逸で情景が鮮やかに浮かび、セレストと一緒に読者である私も幸福に包まれました。ありがとうございました。
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