西条彩子

「追憶と未来の交わる場所で」後日談、「女王様の御心のまま」 本日をもって完結いたしました。お読みいただいたみなさま、ありがとうございました。 ここまでなくしてこの話は完結しなかったでしょう。書ききることができてよかったです。 稜というキャラクターは、元々は結衣子と瑛二のあいだに立つバランサー的な役割をもって生まれました。 主張が強い VS 主張が強い な二人を緩和したり取り持ったりする、強くはないけどしっかりとした調停役がほしかったがための子。 横浜にある実家は歯科クリニックで、両親ともに歯医者さん。姉と妹に挟まれて育ってます。英才的な教育をされたわけではないのですが、インテリ傾向なのはそんな背景ゆえでした。 初恋は1つ上のいとこ。加虐性に気づいたのもこの彼女がきっかけ。 6つ離れた姉が歯科医になり婿を迎えているのもあって、稜が名字を変えることはすんなりと許可。昔から要領がよく、割と自由に過ごしていたようです。 理解がありノリもいい家族で、結婚の報告を受けた両親などは、挨拶前にこっそりと8 Knotにも来たことがあったり。ほんとうに本気で女王様してる結衣子を見た彼らは、すっかりぽーっとなってしまったとか。 稜にとっての瑛二は縄の師匠でもあるけど、呼び方以外は完全にタメ語なあたり対等でいます。「お兄ちゃん」に憧れていたのもあり、関係性としては楽しそう。 結衣子は雇い主なので、夫になった今も仕事中は一応敬語です。姉がまあまあ強かったため理不尽には慣れっこですが、結衣子は理不尽というより不可解なため、翻弄されまくりです。 稜は赦されたい人間です。 彼はサディストではありますが、その精神性はとてもマゾヒスティックで、加虐行為で興奮を覚えることを後ろめたく思ってます。 寝取られという業は、結衣子が瑛二とも関係を持っていたころに目覚めたもの。「歪んだ防衛本能」と本人が告げてますが、彼女に対する感情を自覚したあとにそれが顕著になったようです。 瑛二は「自分のところに戻ってくる」という優越感で自身を保ちました。 稜は「自分以外に抱かれる結衣子」を叱る一方、それに欲情する罪悪感で相殺して自身を保ったというところでしょうか。 そうやって折り合いをつけて、彼は結衣子と歩んでいくはず。
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