りかりー

つづき 「やっぱり川の水は冷たいよな」 声にハッとして振り向くと、高ちゃんが濡れたYシャツを脱いで絞ってた。その脇腹には何針か縫った傷痕が。 高ちゃんにも傷がある…… その後ろにも同じようにYシャツを脱いでた拳ちゃんの腕にも縫い傷。 そして、イケメン直人には手の甲に傷痕が。 「……どうした?」 高ちゃんの怪訝そうな声にハッとして征四郎から借りた上着を握りしめた。 今、何かを思い出しかけた…… なんだろう?胸がキュンとなるような、切ないような何かに包まれた。 だけどすぐに思い出しかけたものは吹いた風に消えてった。 「川の水でずぶ濡れになっちゃったね。ジャージに早く着替えないと風邪ひいちゃう」 高ちゃんは横を通りすぎようとしたわたしの腕をつかんだ。 「それ、征四郎の上着だろ?俺のを貸してやるから、脱げ」 「な、なんで?」 「好きな女が他の男の上着を羽織ってるのを見て面白いわけない。いつまでも幼なじみのままなんて俺は嫌だ。いい加減に気づけよ。俺はおまえが好きなんだ」 え?……高、ちゃん? 高ちゃんを見上げる。 驚いた。 高ちゃんはいつだって女の子に囲まれて、それなりに付き合ってたはずだったから。 「頼むから俺を見ろよ」 腕の力が強くなる。 征四郎の上着を脱げってそう目が言ってた。 「高弘、抜け駆けなしって約束だったろが。おまえがその気なら俺だって考えがあるからな」 「なんだよ、みんなして。だったら僕だって遠慮しない」 クールで武道派の拳ちゃんに、イケメンで騒がれてる直人。ふたりも近寄ってきた。 「もうわかったよな?俺たちはおまえが欲しい。だからもう遠慮はしない」 衝撃の告白にわたしは頭の中が真っ白になった───
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謎が深まった・・・ これだけの情報では〝推し男子〞をきめられない ← 乙女ゲームじゃない との突っ込みはなしで
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誰だ助けてくれた人だろう?

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