こんぎつね

ヒーロー育成施設を『つぶす』ために施設に潜入した主人公の物語。
★面白かった点 ・ヒーロー育成施設を『つぶす』ために潜入する。というコンセプトそもそもが面白かった。 ・能力や世界観などの設定が非常にしっかりしていて、なおかつ魅力的。 ・設定の説明がしっかりとなされている。特に能力者が生まれた経緯に関しての説明は、ただ単に『何故この世の中に能力者が現れたのか』を読者に説明するだけでなく、主人公の父親の正体や『主人公(と従者)が他の能力者とは違い、複数の能力を持つ』理由も読者に伝えられていて、実に効率的だと感じた。また、そこで同時に言及されたアクビトの設定は、今後、明確な敵である『アクビト』の登場によって展開が盛り上がっていくということを示唆していて、掴んだ読者を序盤で離さないアンカーの役割も担っている。ここはとても巧いと感じた。 ・個性的な登場人物達。個人的にはグラムさんとRSさんがいい人そうで好き。 ・主人公の設定について。 あまり良くない親の元に生まれ育った主人公。その生い立ち故に、『他者見下し、人を傷付ける(◯める)ことに心理的な抵抗がない』ように見える。しかしながら、登場人物であるマークの発言や、レヴィの父親をこ◯した際の主人公の言動から察するに、心の底から冷酷だという訳ではなさそうだ。自分の行っている『人をこ◯さざるを得ない仕事』をやる上で、『自分は冷酷である』『人を◯すに抵抗はない』(少しニュアンスは異なるが、端的に言えば)などと自己暗示することで、自分の精神的負担を減らしているのだと考えられる。そんな根っからの悪人でない主人公が『ヒーロー育成施設をつぶす』という目的を持ったまま、つぶす対象と交流していく中。主人公がどのような感情を抱き、どのような葛藤に苦しみ、『ヒーロー育成施設をつぶす』という当初の目的に関してどういった結論を下すのかが見どころでしょう。 ★総評 面白かったです。序盤までしか公開されていないゆえに、作品全体としての出来は議論まだできないものの、現在公開されている設定から予測するに、きっと面白い作品になることでしょう。

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