【コメント】美しく切ない世界

水界線に二人きり

美しく切ない世界

かつて子供たちの歓声や笑い声が満ちていたこの場所と今の雨に打たれ黴の生えた取れかけたポスターと朽ちて行く遊具たちのこの対比が切なくも美しいこの世界を浮かび上がらせる。瞬く間に読者はこのオートマータの心と共にこの世界に閉じ込められる。幻想的でありながら、リアルな描写で描かれる物語は霧の中のとどかぬ夢のように美しく切ない。納得の大賞にふさわしい、降り続ける雨の物語でした。おめでとうございました！

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