【コメント】主人公が多くの物を失う物語でしたが、ラストには希望を感じました

ふたりのクロイツェル

主人公が多くの物を失う物語でしたが、ラストには希望を感じました

現在起こっている殺人事件が、過去の天才ピアニスト失踪事件に関連しているらしいということで、どんな真相なのだろうとわくわくしながら読み進めさせて頂きました。結果、まさかの事故死ということで、「それなら何故あの人はわざわざ死体を隠す必要があったのか」「そもそもあの場所に金庫があるのは不自然ではないか」といったところが気になりました。謎を作るために、都合良くキャラクターを動かしたり、物を配置したりしている印象が強かったので、より自然な形で謎を作ることができたら、より説得力のある物語になったように思いますね。連続殺人事件の全体像は大体推測できますが、犯人である彼の告白や、彼の視点から物語が書かれることがほとんどなかったため、（事前に名前が出ていたとはいえ）失踪事件の真相を知るあの人は唐突に出てきた印象が強かったので、明確に事件の全体像を書いて頂けると、もっと物語に入り込めた気がします。主人公が多くの物を失う物語でしたが、最後にかけがえない物を得られたことで、少し救われたような気持ちになりました。これからも執筆頑張って下さい。

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