つるよしの

問われるのは、普遍的な命題
刑事ものの形を取っていますが、人間と獣人という、世界を二部する 「自己と他者」という概念から、 「理解の及ばぬ他者とどう関われば良いか」という、 普遍的な命題に挑戦された小説と感じました。 事件の進展と、主人公の心境の変化をもって「命題」が浮かび上がってくる物語には、アクションやミステリーというより、哲学的な論題さえ浮かびます。 謎解きも楽しめますが、そのあたりを味わいながら拝読すると、 現実のなにかと不寛容で、異物を避けたがる我々が暮らす社会のことにも考えが及び、読み終わった後、考え込んでしまいました。 そういう意味では社会派ミステリーなのかもしれません。 ラストに双方が見る風景は「共生への希望」の象徴、だったらいいな…とも思いました。深いです。
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 お読みいただき、そして丁寧な感想をありがとうございます。  筆者が書きたかったことを、おそらくは力量不足で書ききれていない部分まで含め読み取ってくださり、言葉に尽くしきれない思いです。  ツルカワさんが書いてくださったように、この小説は「自分とは異なる他者との関わり方」を根底のテーマとして書き上げました。  ちょうどこれを書いている途中、アメリカで「ジョージ・フロイド殺害事件」と、その後に「Black Lives Matter運動」が起きました。  現実に比べると、自分が書こうとしている物語は何と浅はかだろうかと悩み、一時はこの物語自体を「なかったこと」にしようかとも思いました。  
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