りかりー

モカさん、いつも応援ありがとう!お礼にミニ話をプレゼント(*´ω`*) 16歳の狼花嫁 わたしが高校へ入学するまでは10歳年の離れたお兄ちゃんはとても優しかった。 亡くなったお父さんお母さんの代わりにいつも見守ってくれて、どんな小さな話しでも夜通し聞いてくれてた。 「モカ、俺は先に行ってるからな。授業に遅れないように来いよ」 Yシャツにネクタイを締めながら冷たい声。 最近はわたしと目を合わせてもくれない。 お兄ちゃんとわたしは本当は血が繋がってない。 本当の妹じゃないから、だから、嫌いになったの?邪魔になったの? 「琥珀センセ、待ってよぉ」 お兄ちゃんを呼ぶ女子生徒の声に振り返ると、長身で白衣を着てるお兄ちゃんがいた。 遠くからでもわかる。誰よりもカッコよくていつもみんなに囲まれてる。 「いい加減、兄貴ばかり追いかけるのはやめろよな」 え? 肩越しに振り返ったわたしに同じクラスの芝くんの腕が伸びて髪をつかまれた。 引っ張られてくちびるに何かが触れた、まさか。 それを遠くでお兄ちゃんに見られた。 くちびるを手で塞ぐけどもう遅い。 思わずその場から逃げ出した。 芝くんが何か言ってたけどそれどころじゃなかった。 くちびるに……そんな! 家に帰ってベッドで踞って何度も拭ったけど芝くんに触れた事実は消えなかった。 どれくらい時間が過ぎたのか、 バチン 突然音がして部屋の中が真っ暗になった。 直後、窓から風が吹いたと思ったら、大きな何かにベッドへと押し倒されていた。 ガルルル 月明かりに揺れるカーテンの隙間から見えたのは、わたしの両肩を押さえ込んだ大きな前足。 鋭く光る蒼銀の瞳。 荒々しく放たれる息。 今にも喉に食らいつきそう…… 遥かに大きく怒れる狼。 狼はわたしを見下ろして荒い息を吐いた。 喉笛を噛み千切りそうな牙の下からうなり声が聞こえた。 恐怖に、きゅっ、目を閉じた時、狼は唸るのをやめた。 そっと目を開けると、狼はわたしの両肩から前肢を退けて、眼尻に浮かんでた涙を舐めた。 「慰めて……くれてるの?」 キスはお兄ちゃんとしたかった。 狼はまるで慰めてくれるかのように顔を寄せた。 ふわりと暖かい毛並みが頬に触れる。 優しく何度も舐められてるうちにいつの間にか眠りに落ちていた。 あなたは……誰? 2枚目に続く
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