この物語を勘違いしないでほしいと切に願う。
 冒頭部分から悲しみ溢れる物語に誰しもが優に同情せざるを得ない。結婚式を迎え、幸せになるはずだったが全てを失ったその悲しみは経験し得ないため想像上でしかないが計り知れないことだろう。 「うん、私は平気だから気にしないで」  常に自己犠牲を伴って生きてきたこのセリフ。自分自身が壊れてしまうであろう時がきてしまった。そんな中で出会った救いである健志。苗字も同じで運命を感じさせたその出会いは絶望の淵にいた優にとっては救いなのだ。最後まで読んでも、救いなのだと断言できる。  タマという猫がきっかけで優の欲望が満たされ、手からこぼれたはずの幸せは再び手に入った、そう思えた矢先だ。  タマが亡くなってしまった。悲しむ優と健志。  ここで急展開を迎える。  この作品でおそらく誰もが健志の奇怪な行動に驚くだろう。そして、優にまた同情してしまうと思う。だが私はその逆だと思っている。  この作品内における一番の奇怪な人物は優である。  タマが亡くなって一番悲しいのは優か? いや違う。一番悲しいのは健志である。優の言うとおりだ。その健志が優を繋いだ。この出来事は必然以外の何物でもない。  優の最後のセリフ。冒頭から何回も繰り返されたセリフ。 「私は平気だから気にしないで」  これは今までは自己犠牲を伴っていたが最後だけは違う。  今までは自分が我慢することの意味。  最後のは自分が幸せになるための意味。  最後に描かれたこのセリフの真の意味は自己犠牲を伴わない自己犠牲だ。  優が繋がれているにもかかわらず、健志の手を「優しい手が私を撫でる」と言っている。明らかに優はこの状況に満足している。ぽっかり穴が開いてしまった心が埋まった瞬間がこのラストである。  皆が健志をおかしいと言うなら、間違いなく優がおかしいという裏付けになる。私はこの状況下で優にこう表現させた作者は本物だと思う。  急展開で本質を隠しながら読者にミスリードさせる描き方。私の寝る時間が減ってしまうと分かっていても書かざるを得なかった。  聡よりも人間臭くて信頼できる人物、それが健志だ。そして一番忘れてはいけないのが優。  名前も意図したのか、優しいと書いて優。この物語では優しすぎるほどだが、そうでなくてはいけない。名前負けしていない見事な人物だ。  佐藤は砂糖か? 甘い話? そんなわけがない。  この話は激甘だ。読み返して。
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にわさん。コメントありがとうございます。 にわさんのペコメが付いて「あ、にわさん来た!ヤバイバレる」と思わず口走りました(笑) そして、やっぱりバレていました。 この作品の中でおかしいのは優です。健志さんに繋がれて震えていたのは、恐怖ではなく歓喜でありました。 そして、最後のセリフへと繋がります。 展開の変化で戸惑う読者の方々がどのようにとらえるか⁉ 多くを書き過ぎないということを考えました。 ラスト2頁で本文中にちりばめたセリフをまとめ上げています。 その中で「私は平気だから気にしないで」を最後に持って来てどう受け取ってもらえるかは読者さんに任せてみました。 困惑する方が多い中、 流石!に
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解っちゃいました笑 ですが絶妙な量だと思いますよ! あれよりも多かったり少なかったりするとリアル感が薄れてしまうと思います。 三五さんはやはり私と同じ匂いがします笑 素敵な作品をありがとうございました! 負けないように頑張ります笑
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