りかりー

えるどらどさん、いつも応援ありがとう! お礼にミニ話を送ります(*´∀`) 後編 「今夜はこいつを家には帰さない。いいよな?センセ」 芝くんはお兄ちゃんにわたしを連れてくと宣言した。 わたしが好きなのは……でも言えない。 血は繋がってないけど、兄と妹。知られればお兄ちゃんに迷惑が掛かる。 芝くんに強引に連れていかれた先は大きな屋敷だった。 「ここは……?」 「俺の家」 「あの、わたし、やっぱり帰らなきゃ」 キスされたことなら事故だから。 お兄ちゃんにすべて話すと決めて帰ろうとした時、後ろから伸びた芝くんの腕に戸を押さえられた。 「悪いけど、帰すわけにはいかない」 ぐいっ、腕を引かれて部屋の中央に引き摺られた。 そこには床に4つの小刀が刺さっていて、その中に入れられると出られなくなった。 まるで透明な硝子に閉じ込められたみたいに。 「結界を張った。ここにヤツを誘き寄せる」 「芝くん、何を言ってるの?……お願いここから出して」 透明な硝子は叩いてもびくともしない。 芝くんは胸元から出した札を辺りに貼り付けた。 「妖しに魅入られた者を救い、妖しを滅するのが安倍に生まれた者の運命。おまえは妖しに憑かれている。このままだとその身を喰われる。俺が止める」 「……妖し?」 「銀の狼だ。遥か昔から存在する妖し怪の類いだ」 わたしがその妖しに取り憑かれてる? 狼が現れるのはわたしが取り憑かれてるから? 「おまえに浸いてる妖しは強い。仕留めるならここしかない。だから」 芝くんの話しはわかった。 でも……妖し、わたしの前に現れた銀の狼は何もしていない。わたしを慰めるようにただそばにいてくれただけ。 そんな狼を殺めるなんて。 そう言うと、芝くんはすっと冷たい表情になった。 「おまえは何もわかってない。おまえに近づいた者がどうなったのか」 ど、うなった、の? 喉が鳴った。 「階段から落ちたり、川に落ちて溺れた。死ぬことはなかったが。ただ、これ以上野放しすれば死人が出る。それを止める」 芝くんは閉じ込められたわたしの前に立った。 「あの妖しを始末すれば、」 その時突然、雷が空を割って一瞬で辺りが真っ白になった。 雷鳴が轟いて視界が開けた時にはわたしの目の前には背を向けた銀の狼がいた。 グァルルル 2枚目へ続く
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いつもありがとう。 おかわり(2枚目)お待ちしております。
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