なぎの みや

心が読めるということ
久しぶりのレビューです。 まず金融機関、今回は銀行ですが、その内情や暗黙の了解が劇中の出来事に絡んで自然に紹介されている様が見事でした。なるほどーと思いつつ、メインストーリーの方へもどんどん目と頭が進んでいく。本作で特に感じたのは、とにかく読みやすく読書スピードが早い造りになっている事でした。勿論作者様の技量が為せる業だとは思います。 さて読了した上での感想ですが、あとがきの上では途中路線変更されたとの事。ですが、頭から一気に読ませて頂いた限り、その辺の不自然さは全くありませんでした。 とは言え冒頭の出会いとヒロインのキダユウさんこと木田優子さん。人妻なんですよね。対する主人公の高橋さんは独身貴族。この構図だと、どうしても頭に浮かんでくるのが「不倫」の二文字になる訳ですが……それでも不思議と二人の中を応援してしまうんですよね。 特にキダユウさん。この方の個性は素晴らしく、そしてとても聡明な女性ですね。明るくも己を俯瞰する目があり、若々しくも品がある。時々グレーゾーンすれすれの発言をしちゃうところなんか、男の人の心をくすぐるのでしょうね。私も真似してみたいです。 私が最も心に残っている本作のキーワードは、やはりキダユウさんの「人の心が読める」でしょう。ですがこれ、実はキダユウさんはそんなに読心術は得意でなく、本人もそれを分かっているような気がするんですよね。あくまで相手に「その言葉を伝える」事に意味を持っているような気がします。聡明な女性って、したたかでもあるんですよね。そういう女子(敢えてこう書きます)は、相手に幻想を抱かせるのが得意です。キダユウさんもわざとかどうかは分かりかねますが、その言葉によって高橋さんの心に幻想を植え付けたような気がします。実際、劇中何度も高橋さんはその事を思い出しては警戒したり心配したり。この辺り読んでいて高橋さんを、可愛いとも思えてきました。 そしてこの「心が読める」は、高橋さんにとっての決定打にもなってしまいます。詳細はもちろん省きますが、これはやられても仕方ない(*´艸`) 恐らくキダユウさん自身の心の在り方によるものだったとは思います。元々読めないんだと思いますよ。ただ、思考よりも気持ちが勝ってしまっただけで。 兎にも角にも、久しぶりに1日で一気読みしてしまった長編小説でした。ありがとうございました( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )
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素敵なレビューありがとうございます。 私が書きたかったこと、伝えたかったことが全て見抜かれて解説されていて、嬉しくもあり、とても驚きました。 拙い文章からそこまで読み取っていただけたことに感謝。
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タリオさんこんばんは(^-^) ちょっと感想で書ききらなかったんだけど、やっぱり優先順位の立て方がしっかりしてる男の人ってカッコイイですよね。 失意の最中でも自分を見失わずに、融資課を立て直した高橋さんは同じ営業畑(ちょっと違うかも)として尊敬しちゃいます。きっと学生さんの時からメンタルトレーニングを欠かさなかったんだなーって。 ところで私、変な事書いてませんでしたか(^ω^;)?? 結構主観での感想なのは自覚してたんだけど、見当違いなレビューでなかったのなら良かったですε-(´∀`*
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