圧倒的な展開、世界観に惹き込まれること間違いなしです!
冒頭、出だしの1文目。私はすごく好きです。 カチッとハマった、ジャストな滑り出しだなと思いました。 地の文と風景描写のバランスが素晴らしく、目前で1編の映画を観ているような、そんな気持ちになりました。 直接的には描かれないものの、仄暗い世界観、そして設定がきちんと読み手に伝わる作品です。 ドラマティックな冒頭を抜けると、舞台はぐぐっと切り替わります。 実にシンプルな理由で旅に出ることになったエスターとヴォーグ、その道中が淡々と描かれ、そして。 また舵を切られる物語。場面場面、ひとつひとつの描写が丁寧で且つ勢いがあるなあとお手本にしたくなります。 繰り返しになりますが、直接的に描かれないものの、目の前で何が描かれているのか、キャラクターが何を考え感じているのかが伝わってきます。 そして一段落した後に語られる真実は何とも無慈悲なもの。そして……。 語るのは野暮でしょう。是非とも読了していただきたい名作です。 最終ページを読み終えた時に私は、深く溜息を吐きました。 終わってしまった、そしてこれから新しい何かが始まるのか、と。 素直にそう思いました。 この話の後、果たして何が紡がれていくのか、見届けようと思います。 この度はレビューをさせて頂く機会頂戴し、どうもありがとうございました!
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萱篠たくみさま このたびはレビューありがとうございました。 ストーリー・文体、そしてキャラクターの一挙一動に思いを馳せて読んで下さいまして、感謝に堪えません。けっして口当たりの良い話ではありませんが、ラストの苦さまでも味わい尽くしてくれてとても光栄です。人間の不条理や矛盾、そういったものが書きたいと常々思っているので……。よろしければシリーズ続編2作もお読みいただけるとなお楽しんでいただけると存じますので、お手すきの際に。 重ねてになりますが、本当にありがとうございました!

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