Takehiko

痛ましくも切ない物語
冒険譚としてはハッピーエンドの物語も、 勇者を愛する者にとっては、永劫の喪失なのだ。 微笑みの裏の悲鳴が聞こえるような悲痛な描写に 自分の本当の心をあらわすことのできない悲劇を感じます。 戦争に行く弟に「君死に給うなかれ。」と書いた与謝野晶子の 詩が発禁になったような、 芥川龍之介の「ハンケチ」で戦死広報を受けた母が笑顔で手元の白いハンカチだけをもみくちゃにしているような、 言葉にならない世間の暴力のようなものすら感じます。 この尊い犠牲は、人類にとって必要なことだったのかもしれないですが、 想いが言葉にできない世界は、やはり歪んでいる気がします。 だからこそ、最後に慟哭してくれた少女に、 僕はこの作品の救いを感じました。 辛い作品ですが、重く心に澱のようにいつまでも残る秀作でした。
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いつもありがとうございます。 泣く事が息子の誉を穢してしまうと彼女は知っていたのでしょう。 もう少し息子がずるかったら、世間の汚さを知っていたのならそんな事にはならなかったのかもしれません。 大人の付けを払うのはたいてい子供ですね。
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戦死広報・・じゃなくて戦死公報です・・。 読み直ししないでゴメンナサイ・・。
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