水谷遥

可愛い
 今回も直球でしたね!  直球速い人には、見惚れるしかないのです。  少年が、可愛い!  もうこれしか言えなくなります。  細かい事を指摘すればキリが無いのですが、それは全て表面的な体裁でしかなくて、仮にその細かい部分を直した場合、この少年の「可愛さ」が何か一つでも変わるのか? そう問われれば、全く変わらないはずで、むしろ劣化する可能性の方が大きいのです。  大がかりな重機を使って鉄鉱石を量産するのと、ボツナワの荒原を駆け回ってダイヤモンドを探すのと、どちらが良いかと問われても、そんなの分からんのですよ。   少し論理的に説明すると、これが成立するのは「幸せ」な状態での主人公の考察にあります。幸せな状態で、「先生」の機微を嬉しそうに語っています。これが凄く重要です。人は「不幸な人」を観察するのは得意なのですが、「幸福な人」を観察するのは苦手です。ましてや他人の幸せなど、どうでもいいのです。  幸せな「先生」を切々と語る様に、主人公が「他人ではない」感情を持っていると伝わり、子犬のように「先生」の帰りを待つ哀切が滲み出ているのだと思います。  私には、これは一生書けません。  無理です。  純粋な感性の賜物です。

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