Yoshica Miyakono

「構造と境界」タイトルに秘められた「あや」
アントン・ヴェーベルンの新ウィーン楽派の音楽が鳴り響く中で、この物語は進行していく。時に飛び跳ね、時に静かに、そして激しく鳴り響く音楽はこの物語の核である。現代抽象アートの巨匠ワシリー・カンディンスキーの絵を見ているようで、この音楽はギリギリの処で足を踏み外さずに崖縁を歩いている。さて、大体こんな内容でしょうか?(笑) どうも、ネタバレなしでレビューするのは難しいですが(笑) 読んでみられて、このレビューの内容が分かったらあなたは危うい作者の張った物語のトリックに近づいてしまっているのかもしれません…。
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おっしゃる通りで、脱帽です。 ヴェーベルンの繊細で計算しつくされた無調の世界は、その弱点であった干からびたような音質を克服しました。  彼の音楽は音だけを聴いていても実に多彩で楽しめるのですが、段々変な気分になってきたりします。これは危ないな、という感覚です。調性音楽では味わえないかもしれません。  しかし、それが心地よく感じてきてしまい、今日も私はヴェーベルンを聴くのです。 ヨシカさんには、この作品を実に良く読んでくださって、含蓄のあるレビューを施してくださり、ありがとうございます。
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