童子

中級編① 作品の中に、『息もつかせぬ展開』等といったものが有るかと思います。 例をあげると、『息もつかせぬ展開』が、仮に100p・200pに渡って書かれていたら、読んでいてどう思うでしょうか? 読み手に依っては嬉しい方も居るかも知れませんが、自分は厭な顔をしてしまいます。 最初は手に汗握り、興奮して読みますが、読み進めるとその興奮は薄れるからです。 恐らく最後の方には疲れて『やっと終わったか……』 と呟いてしまうでしょう。 多少大袈裟に書きましたが、全体の流れを汲んで、その割合を考えましょうと言う事です。 そもそもの話、人間とは慣れる生き物です。 例外の1つに、旨いもには、更に旨いもの――次はもっと旨いもの――と言った手法があります。 しかしこれを続けると、ハードルが倍々に上がっていくと考えてください。 最終的には、読者の期待値を越えられずに詰みます。 それはある種の無限ループですので。 もう1つの例外は、【落差】――つまり【物語の強弱】です。 不幸から幸福―― 絶望からの救済―― 無数の悲劇から、誰もが幸せになる最高の群像劇―― ここまで言えば、後は大まかに察して頂けるかと。 特に絶望的状況からの逆転劇――それは、少年漫画的な展開かもしれませんが、どのジャンルにも囚われず、誰からも親しまれてる手法です。 【絶望】は誰が見ても救いようが無い程―― 【逆転】はより輝かしく圧倒的な程―― この【落差】が大きい程、読者には伝わります。 この落差や、ストーリーの強弱を繰り返す事で、魅力的な作品が出来るとも言えます。 勿論、ラストには細心の注意を払って下さい。 例にすれば、【強】はバトル、シリアスシーン。 【弱】は日常、ギャグ、お色気シーン等です。 この【強弱】は作品によって変化し、それは物語の重要なシーン、つまり見せ場です。 恋愛や友情などがどちらになるか、これは難しいところですね。 勿論、読み手にその物語の魅力を十分に伝えられる『書き手の技量』に左右されます。 これが無いと折角のストーリーも所謂、『宝の持ち腐れ』『豚に真珠』かと。 原作を考える人物と、それを表現する人物が違うのは、最たる例かと。 個人的な考えが多分に含まれますが、作品を創る際にでも頭の片隅に留めて頂ければ幸いです。 それでは、失礼しました。

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