咲蔵 風人

雪だるまが紡ぐ温かい物語
子供向けの絵本――としてもとても素敵な物語ですが、大人が読んでも捉え方が変わってくる、そんな感情を覚えました。 クリスマスの楽しさの余韻を雪だるまに投影し、溶けていく事(=余韻が終わっていく事)を寂しいものと捉えさせない柔らかな終わり方が、とても印象的で。最初は人々の悪戯心であったかもしれないけれど、それがどんどんと形作られ、やがては雪だるまを見かける人々を笑顔にしていく。楽しいのはイベント中もそうだが、実はその余韻も人々は楽しみたいと思っている。そうして出来上がった雪だるまは、人々のそんな感情が生み出した偶像なのかもしれない。 表現の柔らかさで情景が鮮明に浮かび上がり、胸がいっぱいになる作品でした。もう本当に素敵です。文章力に脱帽です。
5件

この投稿に対するコメントはありません