環 旅斗

社会の闇を描く。それは、ホラーよりずっと恐ろしい……。
名作にして超問題作である「悪魔の証明」をはじめとして、まっきーさんの作品は現代社会の暗部を赤裸々に描き、読む者に大きな衝撃を与える物が多いです。 ここまで書いちゃって大丈夫なの? と心配になることもしばしば……。 それでも筆を止めないまっきーさんのバイタリティには、いつも感服です。 この作品も、まさに社会に巣くう恐るべき闇を存分に描いています。 得体の知れない恐怖がヒタヒタと主人公を追い詰めていく様は、ミステリーやサスペンスでありながら、ホラーの怖さを凌駕しているほどです。 怪物や幽霊が出てこなくても、物語はこんなに恐くできるんだぞ、と突きつけてこられるようですね。 描かれている事件は、どこかで見たり聞いたりしたようなものが多くて思わず唸ってしまいました。 リアルです。むしろ、リアルすぎて恐ろしさが何倍にも膨れあがります。 現実の怖さ、それをイヤというほど味合わせてくれます。 読むのが恐い。でも読むのを止められない……その筆力は、同じ物を書く者としては羨ましい限りです。 さて、ここからはネタバレも含まれますので、未読の方はご遠慮ください。 まっきーさんは、いく通りかのラストを思い描いていたようですね。 いったいどうなるのだろう、と期待を胸に読ませていただきました。 うわぁ、これはバッドエンドだなぁ……と覚悟を決めたと思ったら(もちろんバッドエンドでも作品の良さは変わらなかったでしょうが)、希望を残してくれていて、感動もひとしおでした。 特に、真司が涼香に残したメッセージは、涙なくして読めません。 これはまっきーさんの優しさであり、世の中に対する憤りとともに希望も持ち続けているのだろうなぁ、と勝手ながら感じさせていただきました。 痛みや怒りを感じさせながらも感動も与えてくれ、そして何より楽しませてくれる、骨太エンターティナーのまっきーさん、これからも素晴らしい作品、待ってます!!
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hideTさん、いつもながら早速のレビューを本当にありがとうございます。楽しんで頂けたようで何よりです。 今回のこの「イーストサイド」は国内における実際に起きた謎の多い事件の数々を参考に僕なりの解釈をアレンジして物語として組み立ててみました。それにより一層のリアリティを醸し出し、現実の事件を風化させないようにとの願いも込めました。実際はこんな一筋縄ではいかない複雑怪奇な構造であると思います。まさに「事実は小説よりも奇なり」というように。 ここまで重苦しい内容で持ってきてラストを最悪な結果で終わらせるのはやはり気が引けました。自分らしくそして読んでくれた読者さんがホッとするものに仕上げてみま
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まっきーさん、わざわざご返事ありがとうございます。 イーストサイド、いつも通勤時に読ませていただき、更に夜帰宅してから読み直したりしていました。 なので、今日も夜に読み直してから感想を書こうと思っていたんです。でも、あまりも感動して、仕事をほっぽらかして書いてしまいました(^_^;) あれだけ現代社会の闇をリアルに突きつけながら、読む人を楽しませ、感動させてくれる……まさに極上のエンターテイメントですね。 私は今次作を執筆中で、そろそろ公開しようかと思っているんですが、ちゃんと書き上げて完結させることができるか不安です。 ホラーなんですが、全然恐くならないし、後半どうしたらいいか迷走して
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