清水 誉

草の匂い土の匂い霧の匂い人の想い
森に迷い込んだ主人公は初めからどこか危うい雰囲気でした。幻想的な森の美しさと、断片的に綴られる悲しい過去が、迷子になったのは人生そのものなのだと分かりました。 男性の孤独が、怒りより哀しみの感情が強いように感じたので、恐ろしさは不思議と感じません。 私の目線が一番近いのは、おそらくタヌキでしょう。男性に感情移入というよりは、傍観する感覚でした。 初めは霧のかかるモノトーンのような風景が、徐々に色を乗せたような。仔タヌキの茶色、親の白、瞳の赤。色と共に、男性がここに来た理由が分かってくる。哀しみの渦に取り込まれ、そして最後に残るのは鮮やかな緑色。 男性の死は、山の芽吹く木々からしたら、とても小さな終わりなんだと言われたようでした。
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清水 誉さんへ 今日は。 感想レビューを有り難うございます。 日本の神様って要は自然を神格化しているんだよなぁ、から考え始めたので主人公も最後は自然と一体化すると言いますか飲み込まれて終わるみたいにしたかった所があります。 まあ、仏教の影響で悩みから解き放たれたいと思う部分もあるかと思います。 最後まで読んで頂き嬉しいです。
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西東さんが以前書かれていた、岩に天女を描く作品を思い出しました。 あれも色が鮮やかに脳裏に浮かぶ作品でした(^。^)
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