gloomy_weasel

濃密なオペラケーキのような作品
濃密な文章で重層的に描かれる,ビターなオペラケーキのような作品. 「れいあ」という名の青年? のやや混乱したような独白で始まったかと思うと,その後は第三者の視点で物語が展開.なかなか全体像をつかめないもどかしさにぐいぐい引き込まれていきました. モラトリアムの鋭敏な感覚で緻密に描写される「れいあ」と音寧の奇妙な関係は圧巻.そこからの,それに続く視点となる人物の,スッキリとした文体と,少し核心に近いた説明との対比もうまい. これから少しずつ,物語の深層へと近づいていくのだろうと,ワクワクしてしまいます. 構成などかなり練ったのでしょう.とても読みごたえのある作品です.
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