月も星もない森の中…
森の中をさ迷い疲れた少女をのぞきこむ老人。 けれど少女の瞳は老人を映さず、どこか遠くを見ています。 そして美しい絵には異質にも見える蛾……。 幻想的なイラストは物語をとじ込めているのです。 「この少女はなにをしているんだろう……?」という疑問を抱えてページをめくれば、謎めいた物語が始まります。 自分が誰なのかどこから来たのかさえわからないまま、少女は森をさ迷っています。 森で出会った生き物たちが、「マヨヒガ」にお行き……とささやきます。 とても美しくて、ひっそりと怖いのです。 怖い、というのは、ホラー的な怖さではなくて、 物語の少女と同じに、月も星もない森の中を裸足で歩いているような、不安な怖さなのです。 そして迎える結末は、読者の心の中に驚きと共に切なさを遺していきます。 挿絵も物語も、美しいという形容詞が一番似合う作品でした。
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秋月さま 物語を紐解いてくれたばかりか、貴重なお時間を割いてレビューまで。 ありがとうございます(;⌄;) 東北地方に実際に『マヨヒガ(迷い家)』という怪奇現象が伝えられていますが、あちらは富をもたらすのに対して、こちらは果たして富といえるのでしょうか……。 マヨヒガのようなエピソードは、東西を問わず各地の民俗伝承によく見受けられる内容ですが 『新たに得る』ことは、言い換えれば『受け取ることで、それまで抱いてきた何かを捨てなければいけない』ことでもあるのではないかな、という思いがありまして。 もしそれが自身の意思とは関係のない、本能やDNAに刻まれた部分に直結するものだったら、どうなる
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幻想の世界に入り込んだような… 素敵な物語でした(*´ー`*) 東北地方にマヨヒガという怪奇現象があるのですね! 知りませんでした(*^^*) 後ほどググってみますね!
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