三村 薔

隠し、隠れ
2回読んでなるほどと思ったこと。 読書が好きでそこに現実逃避の感すら求めている「僕」は、自らが七不思議という語られる存在になったんですね。 また「恋隠し」という名ですが、「僕」自身が「隠れた(=死んだ)」存在でもあります。大学という場所に閉ざされたというよりも、大学以外の外のすべてを閉ざした存在。 だからこそ霊感のある者、つまり隠れたものを認識する者としか、「僕」は接触できないのでしょう。 秋穂と分かたれたことによって、死者である「僕」からしてみれば秋穂もまた、現世という遠い場所に隠れてしまうのですね。 短い話でしたが、ちゃんとこういった構図があって、なるほどと思わされる作品でした。 読ませていただきありがとうございました。
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ご感想ありがとうございます、三村さん! 本人は自分がそういう存在になったことに、全く気付いていなかったのですけどね……!思考回路も含めて怪異になっていた、と最後にはっきり突き付けられる構図にしてみました。 二回も読んでいただきありがとうございます。というか、この感想の言葉選びのセンスと着眼点が凄いです……さすが三村さん。そうそう、大学以外の外のすべてを閉ざしてしまったんですよね、彼は。
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