高橋多探

産業革命から変わらない宿痾
かつて英国で産業革命期に、機械に仕事が取って代わられると労働者が起こした「ラッダイト運動」 労働者は資本家に反旗を翻した。実際これは幻想にしか過ぎず、勘違いだったわけだが、この作品がユニークなのはAIが本当に提唱していることだ。 資本家の夢とはなんだろうかと考える。 愚痴をこぼさず保全エネルギーさえあれば永遠と労働する様は、まさにこの夢を体現したロボットだろう。 そこにまさか奉仕される人間がボイコットするとは! これこそ雲灯氏の真骨頂だと思っている。かように人間はままならない。 さらにさらに踏み込んで人間を世界からパッケージさせ、ロボットに労働の意義まで解釈させた。 二重三重に練られたプロットにはっとさせられました。 雲灯さんが現在連載中の「物語の構成」については注視してさせていただきます。 良質な短編SFであります。
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高橋多探様 まさか産業革命時代の労働運動に結びつけてくださるとは全くお持っておらず! とてもびっくりすると同時に、高橋さんの該博な知識に裏付けられた深い考察に打ち震えております! そうですね、人間は本来、取って代ることのできる全てを行なってくれる存在が欲しいはずですよね……ピクサー映画「ウォーリー」の世界のような! ブルーの世界では人間がロボットのシンギュラリティに耐えられなかったのかもしれません。 ご感想ありがとうございます!
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