二瀬幸三郎

若き命、策謀の城に散る……
二瀬幸三郎です。 拝読いたしました。 〈忠勝伝〉もついに5巻目…… 偏見込みですが(汗、〈長篠の戦い〉を過ぎると武田家がすぐに「滅んだ」イメージがありますが、実は氏の描く物語のように決してそうではなかった…… 前作は「鉄砲」と云う新兵器によりもたらされた時代の変革に抗う槍武者達の哀しみが描かれましたが、今回はある意味、時代の変革以前に「もとより槍働きばかりが戦ではない」ことを思い知らされた物語でした…… 長篠合戦で敗北した武田家が逆襲の手段として選んだのは、[策謀]…… 浜松に送り込まれた忍〈減敬〉は築山殿に取り入り、内部から徳川家を分断……やがては織田との決裂までをも画策…… 忠勝や半蔵が阻止しようと動くものの、結果的には阻止できず、最終的には嫡男の信康が…… 注目すべきは、その策謀の過程を描くうちに、敵役であるはずの減敬にも感情移入してしまえる場面が増えていくところにあります…… 物語としては「都合上、見かけの善悪が生じてしまう」ものですが、歴史物は元より視点を変えればどちら側にも正邪があるわけでなし(例外はあるものですが)、どちら側も生き残るためには死にもの狂いにならざるを得ないところが戦国の習いであり、哀しいところでもあります…… もちろん、それ以外の敵味方問わず登場人物にも様々な(中には今後の展開に向けた)ドラマがしっかりと描かれており、決して疎かに出来るものではありません…… ただ、一人一人に焦点を当てると感想がおさまらなくなるので、已む無く割愛するしかないのがこれもまた、悲しいところです…… 自ら命を絶った信康が最後に見た風景…… それは、間際に見た夢か、それとも、魂が垣間見た未来の世か…… 良き物語をありがとうございます♪ そして、続きも楽しみに拝読いたします!
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