これはファンタジーを見事に利用した人間ドラマだ。
 平行世界の自分を追うことから始まるこの物語、最初はアクションものになるのかと思っていました。  しかし、平行世界を渡る度に明らかになる主人公の葛藤や罪悪感、そして過去が明らかになる流れに話に引き込まれるようになります。  ファンタジーであり、ミステリーであり、そして何より人間ドラマ。人間は皆、悩みながら生き罪悪感を隠している。ラストまで読むとキャッチコピーやタイトルが改めて深く感じました。  演出、布石とも見事で読み応えは充分、読了感も良かったです。
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